当店のギターについての考え方

@ ギターは木製品です。
ほとんどのアコースティックギターやエレキギターは木を材料にしています。木材ですから、もともと含んでいた水分が蒸発したり、雨の日の水分を吸ったり、弦の張力によって、ネックの反り具合が変わったり、指板の幅が変わったり、ボディが変形したりします。これはプレイヤーにとって、「ネックが反った」「フレットが飛び出してきた」「アコギのトップが浮いてきた」といった不具合につながります。また、各メーカーの製法や木自体のバラツキにより、これらの問題の程度はギター1本づつ違います。当店では、これは木製品であるギターでは自然なことであり、ブランドや価格に関係なく全てのギターに起こる共通の問題だと思っています。
A メンテをして弾きやすい状態を保ちます。
ギターが変形するのは、ギターが生きている証拠であり、それを保有するプレイヤーの環境に馴染もうと努力してるからだと思います。そこで当店では、変形に神経質になるより、確かな技術でそれを修正して、以前と同じような弾き易さを保つことが最も重要であると考えます。
B 出荷のときからメンテを行い、さらに無料の一年後メンテサービスを用意しています。
大多数のギターは、ネックの反り具合やナット高、弦高が弾きやすい高さに調整されていません。多くの場合、ビビリなどのクレームを避けるため、弦高は高く設定されています。当店ではそれを本当に弾きやすい状態に調整してお渡ししています。また、今までの多くの経験から、ほとんどのギターは約1年でその地の気候に馴染み、それ以後は変形が少なくなりますので、当店では、購入一年後に無料でメンテナンスサービスを行っています。詳しくはこちらをどうぞ


ギターの保守と湿度

ギターは、いたわればいたわるほど良い音で鳴り、良い状態で長持ちします。適切な保守を行うことは、人間の健康管理と同じようにとても大切です。また、ギターと湿度は密接な関係にありますので、湿度の適正な管理を怠ると、思わぬ不具合の原因となります。湿度の管理不備による故障は有料修理となりますので、以下の説明をお読みいただき、ギターを常にベストコンディションに保つように心がけてください。


1. ギターの保守(メンテナンス)
@ 弾き終わったら弦を緩めましょう。
アコギの場合は、弾き終わったら必ずペグを1/2回転(半音程度)緩めてください。こうすることでトップ浮きを軽減することができます。エレキギターは3日以上弾かない場合は同じように半音程度弦を緩めてください。どちらも弦を緩めすぎないようにしましょう。緩めすぎるとネックが安定しません。
A ボディ・ネックにワックスを塗りましょう。
ギターの塗装は自動車の塗装よりもはるかに繊細です。ギター用ワックスで塗装を保護してください。ギター全体を手入れすることで不具合を発見することにも役立ちます。
B ハードケースやソフトケースに入れて保管しましょう。
ギターをケースに入れるクセをつけることによって、ギターを破損から守り、湿度の大きな変化を防ぐこともできます。しかし長期間(1週間以上)ケースに入れっぱなしでは、逆に湿気がこもってしまいますので、ときどきケースから取り出して弾いてください。
C ギターは毎日弾きましょう。
10分でもいいですからギターはなるべく毎日弾きましょう。ギターに弦振動を与えることで、水分の浸入を防ぎ、ギターを自然に落ち着いた状態へ持っていくことができます。
D 弦は早めに交換しましょう。
エリクサーなどのコーティング弦を除いて、弦はなるべく早めに交換しましょう。古い弦は音が悪いだけでなく演奏の上達の妨げにもなります。また、音の良い新しい弦を使った方がギターの鳴りがよくなります。
E 湿度を適正に保ちましょう。
当方で扱うギターは相対湿度50%-60%を基準に製作されています。下記「ギターと湿度」をご覧下さい。この湿度より高くても低くても不具合が出る可能性がありますが、それほど神経質になる必要はありません。あなたがいる部屋にいつも置いてあげてください。

2. ギターと湿度
@ 部屋の湿度(相対湿度)とは?
お客様が今いる部屋の湿度は、気温に連動して上がったり下がったりします。湿度計で測ると思いのほか変化があってびっくりするでしょう。例えば冬の朝暖房が無いとグッと湿度は下がります。暖房を入れると湿度はは上がってきます。このように部屋の湿度は温度と関連して変化します。これを相対湿度といいます。
A ます湿度計を買いましょう
湿度計はモノによって誤差があります。安いモノは誤差が大きいことがありますので注意してください。
B 適正な湿度とは?
当店のギターは相対湿度50%-60%を基準とされています。およそ一般のギターもこの程度の湿度を基準にしています。実は人間が快適に過ごせる湿度も50%-60%なのですよ。
C 湿度による不具合の可能性
(1) 湿度60%以上
アコギはトップと力木が水分によって膨張するのでトップが浮いてきます。その影響で弦高が高くなります。雨の日のように急に湿度が高くなると指板が膨張してネックが逆反りし、音がびびります。ペグやフレット、弦が錆び始めます。
(2) 湿度50%以下
指板が縮んで指に引っ掛かるように鋭くフレットの端が飛び出してきます。アコギはトップが下がって弦高も下がります。
(3) 湿度40%以下
単板ギターではボディ材にヒビ(クラック)が入ります。フレットの端が危険で修理が必要になります。
D 湿度の変化からギターを守りましょう。
(1) 車内に放置しない
夏も冬も車内には絶対に放置しないでください。
(2) 冬の冷え込みには注意!
冬の夜間の冷え込みではかなり湿度が下がります。特に暖房が入らない無人の事務所などに放置しないでください。
(3) 飛行機の預入荷物は避ける。
飛行機の預入荷物は極力避けましょう。